「チューダーってなんだ?」
そう思う人もいるかもしれません。
チューダーは、ロレックのサブブランドで、
一昔前は「チュードル」と呼ばれていました。
その「チューダー」が近年は、
価値が急騰しています。その関係もあって、
一昔前の「チュードル」時代の時計も注目されているのです。
ロレックスのパクリ?
見た目は「ロレックス」そのもの。
チューダーを知らない人が見れば「パチモン」と
言いかねないくらい瓜二つなのが特徴です。
ただし、それは「チュードル」時代の話。
当時は、ロレックスを買えない人が買う時計なんて
揶揄されていたりしました。
現在は、ロレックスに無い「チューダー」だけの
オリジナルデザインも多く発売されており、
ロレックスと同じく入手が困難になっているため、
プレミアム価格になりつつあります。
なぜ、ロレックスに似ているのか?何が違う?
一言で言えば・・・親ブランドである、
ロレックスの基本パーツをそのまま流用していたからです。
その影響で、ロレックスよりも安く買えるのです。
チューダーの歴史がそもそも、1930年代に生まれ、
ロレックスの良さを体感してもらうために作ったブランド。
今の時代にも通じますが、ロレックスが高級時計であり、
情報網も今より乏しい時代、一般の人が手にするには
今より更に敷居が高かったので、
ロレックスが一般人向けにブランドの認知度を上げるために
作ったある意味、戦略的なブランドでした。
当時、ロレックスはイギリスの時計メーカーなので、
チューダーのロゴは、国民に馴染み深い、
イギリスの王家に縁あるロゴが採用されて成功しました。
時は流れ、日本にチューダーが最初に入ってきたのは、
1万円札を振りかざさないと、タクシーが捕まらないくらい、
皆、帰宅にはタクシーを利用していた贅沢なバブル時代。
そんな、景気のいい時代に「チュードル」として上陸。
・文字盤
・リューズ
・裏蓋
・オイスターケース
をロゴだけ変更し、外観はロレックスのものをそのまま流用した
チュードルは、当時の日本でも歓迎されるかと思いきや、
中身の機械部分は、自社製ではなく高級時計用の汎用品を
使用していたため「ロレックスが買えない人が見栄で買う時計」
として揶揄されるハメに・・・。
「安くて良いもの」を買うのがが当たり前の今とは違い、
当時の日本は、「高くて良いもの」を買い求める
バブルの真っ只中、スポーツ愛好家なら、
タグホイヤーやオメガ、ビジネスマンは本家である
ロレックスを買う人が多かったのです。
一見、チュードルにはタイミングが良さそうな
日本参入でしたが、フタを開けてみれば、逆だったようです。
生まれ変わった!?「チュードル」からチューダーへ。
日本で苦い思いをしたチュードルは一時、日本から撤退して
すっかり、見なくなっていましたが、
パンデミックの直前、2018年に日本へ再上陸しました。
ただ、時計愛好家の間では話題になりましたが、
一般ユーザーにとっては、それほどでもなかった印象です。
しかし、パンデミックの影響でロレックスを含む、
全ての時計の入手が困難になり、ロレックスはもはや、
異常事態ともいえるほど、価格高騰と品不足になります。
そこで、一気に時計愛好家以外からも注目を集めたのが
「チューダー」。ロレックスの人気スポーツモデルと同じ
見た目や性能はそのままで安価に買うことができるからです。
(それでも人気モデル購入はロレックス同様に困難でした)
その影響で、以前のイメージとは違い、
ロレックスとは違う独自路線を歩んでいることを
一般の人も認知し始めます。その例が「ブラックベイ」モデルの存在。
ロレックスにはない、新素材やデザインを採用して
「今の時代」を反映した時計になっていました。
また、モデルの起用もロレックスの「レジェンド」に対し、
「これからの世代」が多い印象です。
落ち着いた世代が選ぶイメージのロレックスに対して、
実際に使い倒すアクティブな世代に刺さったのです。
今では、高級時計のロレックス同様の外装パーツに加え、
中身のムーブメントも自社製造の「オートクチュール」を採用。
「ロレックスが買えない人が買う時計」ではなくなっています。
結局、チュードルの時計は売れるの?
現行モデルのチューダーはもちろんですが、
人気が再燃しているので、
古いチュードル時代の時計も注目されています。
なぜなら、当時のチュードルは、
今のデザインとも違い「人と被らない」「高性能」
「高級時計の認知度がある」「見た目がロレックス」という
「安くて良いものを」という時代のニーズに
追いついてきた感があるのです。
アクティヴ層をターゲットにした今のチューダーより、
当時のロレックスの廉価版として販売していた
金属ベルトのチュードルは今見ると高級感もあります。
アンティークになると、たとえ汎用ムーブメントでも
プレミア価格になっているものも存在しています。
ここ、日本においては、当時の
「チュードル」は今がバブルかもしれません。
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